小松崎米菓 -大洗で作り続ける“懐かしい味”-
1948年開業。大洗町で「あられ・おかき」の製造・販売を手掛ける小松崎米菓。商店街から1本外れた通りで、美味しい「あられ・おかき」を作り続けています。
『私の父が、水戸市にある「あられ」を製造している店でノウハウを学び、大洗に戻って開業し、私は2代目として商品作りを続けています。私は大洗生まれ・大洗育ち、高校卒業後に東京のお菓子問屋で3年修行して、それからずっとこの店で働いています。』
そう語るのは、小松崎米菓の代表・小松崎護さんです。店舗に併設された工場で生産し、主に卸しとして商品を提供しています。
店舗に併設された工場には、大型の機械が並んでいます。
「米菓店」の今-
巣ごもり需要で、コロナ禍でも需要がありそうな商品群ですが、現状は厳しいそうです。
『我々は卸しがメインなのですが、コロナ禍で卸先であるお土産店や宿泊施設が営業できなくなってしまいました。なので、一般家庭の需要が仮に上がったとしても、相対的には苦しいですね。そもそも、これだけ「お菓子」が多様化していて、米菓自体の需要はずっと減り続けています。昔は町内でも結構同業者もいたんですけど、今ではウチと「マルキン米菓」さんの2店舗だけになってしまいました。』
産業自体が縮小すると、様々な弊害が出てきます。
『機械の修理費用も重いので、大事に使うようにしていますね。』
「自分たちの商品」である事を知ってほしい-
今回「ARISE GIFT」を通じて初めて通販を行うにあたり『お客様に自分たちの商品を直接お届けしたい』という想いが込められています。
『商品をスーパーや「おかき専門店」のような所に卸して販売した場合、多くの人は「どこの商品か」というのはあまり気にしないじゃないですか。作っている我々としては「小松崎米菓の商品をお届けしたい!」という想いを持っておりまして、そういう想いで直売店もやり続けています。ただ、商店街から外れている場所にあるので、辿り着けないという方もいらっしゃって(笑)。なので、大洗に来られた際には、是非お店で商品をお手に取って頂き、気に入って頂けたら通販でも購入して頂きたいです。』
工場での仕事の傍ら店舗運営も行っており、あまり手をかけられないということですが、店内には種類豊富な商品が並んでいます。
こだわりの「おかき」商品-
『我々の商品の特徴として、「柔らかい」商品に特化して作っています。おかき・あられの場合、普通餅を固くしてからカットするんですけど、ウチは「水切り」という手法、ハムを切るようなイメージをしてもらえると良いんですけど、柔らかいうちに丸い刃を回転させて上から水を少し流してカットしています。そうする事で、生地が柔らかくなるんです。この手法は手間がかかるので、業界でもあまりやっていないんですよ。』
『今回通販に出させて頂く商品について。「浜っ子しょうゆ」の方は、国内産のもち米を蒸し、丁寧に焼き上げて、醤油で味付けしたソフトな「おかき」です。「サラダ浜っ子」は、生地を焼き上げた後、温かいうちに「白しょうゆ」を少々と植物油をかけ味付けして、ソフトに仕上げた塩味のサラダおかきです。3つのセットを箱に入れて販売致します。開けたらすぐに食べられますし、是非その柔らかさを体感して頂きたいですね。』
懐かしさを感じて欲しい-
『先ほどお話した通り、私は大洗で、この「おかき」と共に生まれ育ちました。「おかき」などの商品を「昔は食べていた」という方も多いのではないかと思うのですが、ぜひこの機会に久しぶりに食べて頂き、「懐かしい気持ち」に浸りながら、昔の大洗に想いを馳せる、というのもよいのではないでしょうか。余談ですが、昔の大洗は水浜線という路面電車が通っていて、銭湯なんかもいっぱいあって、映画館が2つ、スケート場、ボウリング場など色んな施設がありました。今は人口も減ってしまって、寂しい所もあります。なので、コロナ禍ではありますが、観光客の方には是非沢山来て頂き、お店にも立ち寄って頂きたいと思います。』
商店街からは1本外れている場所にある小松崎米菓。大洗にお越しの際には、是非ご主人と昔の大洗の話に花を咲かせてみてはいかがでしょうか。場所は、商店街にある常陽銀行の裏側です。是非、美味しい「おかき」をお召し上がりください。