大洗の“タオル屋” 山戸呉服店

大洗町にある「曲がり松商店街」に店舗を構える山戸呉服店は、4代続く歴史あるお店。『8代前に私の先祖が侍として大洗にやってきて、色んな仕事をやっていたようなのですが、呉服店を始めたのが4代目で、会社の設立は昭和25年になります』と代表の山戸章弘さんはお店のルーツを語ります。

 

『私の祖母が店に出ている頃はお客様も多かったのですが、時代と共に着物を着るという機会が減っていきました。そんな変化と共に呉服以外にも衣類も取り扱うようになり、今では小学校の制服や体操服のオーダーも受けています。ただ少子化で、大洗ももう年間70人前後しか出生していないんです。なので、今後学校関係の需要も減ってくるんではないでしょうか。』

 

そんな時代の変化と共に業態も微妙に変わってきた山戸呉服店。そんな時に活路を見出したのが「タオル」でした。

 

『大洗は観光の町という事で宿泊施設が多い。その中で、宿向けにタオルの製作も行っていたんです。そんな中2012年にTVアニメ「ガールズ&パンツァー」の放送が始まって、多くのファンが大洗に足を運んで下さるようになりました。当時はまだグッズなどもほとんど出ていないような状況で、せっかく大洗に来て下さったファンの方に、何かおもてなしが出来ないか、というような意見が上がりました。そうしましたら、同じ曲がり松商店街で『肴屋本店』を営む大里明氏(現・大洗観光協会会長)から、「宿泊して下さった方に差し上げる、ノベルティ用のタオルを作れないか?」と相談をもらったのが最初のきっかけです。』

呉服店が“タオル屋”に—

『タオルって日用品じゃないですか。使っていれば汚れますし、どうしても買い替えが必要になる。そんな時に色んな種類があれば、皆様に喜んで頂けるのかな、と思って色々作りました。勿論アニメのグッズなんて手掛けた事もなかった訳ですが、自分が出来る範疇で今後も続けたいと思っています。作中で登場する高校も色々ありますので「その学校内で売っていそうなタオル」みたいなコンセプトで今後も考えて行きます。普段使いにも最適ですが、タオルに●●女子学園』みたいに書いてある商品もあり、会社などで使うと誤解される可能性もありますので、気を付けて下さい(笑)。』

ファンの方に喜んでもらうために―

『発注すると商品が束で店に届くのですが、そこから更に私の方でも検品して、少しでも糸が解れているものがあれば弾きます。袋入れなども1つ1つ当店で行っています。せっかく大洗に来て、商品を買って下さった方がガッカリしないよう、今後も努めていきたいと思います。』

 

お店の裏側には、少しでも解れているタオルを弾いているため、タオルが山積みになっています。例え販売可能な商品数が減ってしまっても、ファンの方の事を思ってのおもてなしです。

コロナ禍に思う―

『新型コロナウイルス感染症の影響で、一時町から観光客がいなくなってしまいました。お祭り好きなこの町で「こんなにイベントがない大洗は初めて」という話をよく周りとしています。そんな状況の中、町に来たくても来られないという方も多いと思いますので、今回初めて通販に挑戦する事に致しました。タオルは今治産で普段使いにも持ってこいです。今後徐々に取り扱い商品を増やして行こうと思いますので、是非お買い求め下さい。』

今後も、通販で取り扱う商品を考え、パッケージングも含めて増やしていきたいと語りました。

最後に―

『コロナが落ち着いた際には、町としても「再起動」出来るよう、準備を進めています。皆様が安心して大洗に来て頂けるようになることを祈っています。今後とも「大洗のタオル屋」を宜しくお願いします。』

 

お店情報

  • 電話番号:029-266-2480
  • 住所:茨城県東茨城郡大洗町磯浜町668