飲食店

藤乃屋 -海の街で味わうこだわりの“町中華”

投稿日：2021.07.13

大洗シーサイドステーションから道路を挟んで隣に位置する「町営第一駐車場」。その駐車場内に店を構えるのが、ラーメン食堂「藤乃屋」です。

『中国料理のお店で、麺で言えば担々麺、定食で言えばエビチリや麻婆豆腐、油淋鶏定食辺りが良く出ますし、おすすめです。加えて、この店を始める前に修行した店が、和食と中国料理を両方やっている店だったので、モツ煮や牛バラと言ったメニューなども提供しています。毎日更新している「本日のオススメ」ボードも、中華料理だけだと重くなってしまうので、生姜焼き定食などの和食を入れたりして目先を変えて、変化をつけていくような努力はしてますね。』

そう語るのは、藤乃屋の店主・山田明弘さんです。藤乃屋は今年で、節目の創業10年を迎えました。元々2011年3月オープン予定だった所、開店準備の申請等の影響で開店日が伸びたため、結果的に東日本大震災の被害を免れました。

―反対を押し切っての開業

『開業はしていなかったものの、津波で水没してしまった土地で無理して店をやらなくてもいいんじゃないかと、修行先の方から言われたりしました。しかし、私が大洗出身だという事もありますし、町も元気が無くなっていた時期だった事もあり、別の場所での開業を考えるのではなくて、何とか大洗で頑張って行こうと決めました。』

震災後の大変な時期での開業だったことに加え、「駐車場」の中にあるという不安もぬぐえなかったそうです。

『今でこそ「駐車場の中にあるから車で来やすい」と言って頂けるんですけど、開業当初は、通り沿いではない「駐車場の中」でお店をやっても、外からも見えないし厳しいんじゃないの？という意見が多かったです。当時は環境面で色々言われて結構不安でした（笑）。そんな中、2012年にアニメ「ガールズ＆パンツァー」の放送が始まると、車で大洗に来る方も増えて、駐車場も活気が出てきて、お陰様で今はこの場所で本当に良かったと思っています。』

ここで、ARISE GIFT運営・廣岡がオススメの2点をご紹介します。

まずこちらの豚の生姜焼き+モツ煮定食。生姜焼きも言わずもがなな味わいですが、特出すべきはトロットロの「モツ煮」。比喩表現ではなく、口の中でとろけます。絶品です。（写真を撮る前に、マヨネーズを1回付けてしまい申し訳ありません…）

もう一品は担々麺です。藤乃屋さんの担々麺は、「辛すぎないピリ辛」が本当にオススメです。私はあまり辛い物が得意では無いのですが、そういう方でもペロッと行けてしまいます。美味です！

―大洗ブランド認証品「浜のラー油」

そんな中華料理店で、店内で販売しており、ARISE GIFTでも取り扱っている大洗ブランド認証品「浜のラー油」は、お店の賄いから誕生しました。

『当店はラー油を自家製で作っていまして、ご飯にかけてサササーっと食べていたんですよ。コックの一般的な賄い飯ですね。そうしていた所、当時の役場の農林水産課・大洗ブランド推進協議会の担当の方から「大洗の地の物を使って何かブランド品を作ってもらえませんか」という依頼が来たんです。』

意外にも、お土産や加工品業者だけでなく、飲食店にも「大洗ブランド認証品」の依頼が来ます。

『依頼を受けて考えたのは、やっぱり大洗は海！海に絡んだものでウチらしいものを、と考えを巡らせて行きました。大洗と言ったら「しらす」だ！と思い、しらすとラー油を組み合わせてみたというのが最初ですね。ここで一番大変だったのが賞味期限です。しらすは栄養の塊で、いくら冷蔵庫に保管してても菌が発生してしまうんです。なので、中を真空にしないと長期の賞味期限にする事が出来ないんです。苦労の末、東京にいる知り合いのコックの伝手を辿って見つけた技術を用いて真空にし、最終的には5回程度の検査を経て、何とか商品化にこぎつけました。』

山田さんの大洗の特産品に対するこだわりが、新たな商品を生み出しました。

『中身を、例えば「めかぶ」や「わかめ」とかだったら簡単に作れたと思うんです。でもやっぱり大洗だったら「しらす」だろう、という点には拘りました。また食感のアクセントとしてカシューナッツを入れている事も特徴です。