夕日の郷 松川 -「地域おこし協力隊」の働く理由-

大洗町といえば“海”の町、と想起する方がほとんどだと思います。そんな大洗町の中心街から車を10分程度走らせた場所に、「涸沼」という汽水湖があるのをご存知でしょうか。

涸沼は、鉾田市、茨城町、大洗町にまたがる汽水湖(海水と淡水が混じり合う全国的にも希少な湖)で、水鳥が生息する重要な湿地とその動植物の保全などを目的とした「ラムサール条約」にも登録されています。ヤマトシジミやマハゼなど汽水域に生息する魚や貝などの漁場となっており、様々な野鳥を見る事が出来ます。

そんな涸沼に面した場所にある施設が「夕日の郷 松川」です。広大な自然を目の前に、キャンプやバーベキューが楽しめる他、農産物直売所が併設されていて、地元農家が丹精込めて作った農作物を販売しています。

 

町の新しい交流拠点として―

『この施設が建てられたのは 2016 年で比較的新しい施設です。設立された目的は「都市と農村との交流」、および「地域の憩いの場」としてです。例えば農業体験などのワークショップを行ったり、農産物直売所に置いてある農作物などを通じて、都市部にお住まいの方々とこの近隣の皆様、そして町に住んでいる皆さん同士の交流拠点にできればということで設立されました。』

そう語るのは、大洗町の「地域おこし協力隊」として派遣され、この施設で運営補助として働く富張洋樹さんです。

 

『ここは町の施設で、管理・運営は町から委託をされた団体が行っています。その中で私は、地域おこし協力隊の一員として町役場から派遣されています。具体的な業務としては、農産物直売所に出す商品の納品・仕入れ業務に同行し、農家さんを回って野菜を持ってきたりして、それを直売所で販売する、という流れです。他、施設内にあるキャンプ場・バーベキュー場の運営管理も行っています。』

昨今大人気となっているキャンプが楽しめる事が、この施設の大きな特徴です。雄大な湖を目の前にして、静かでのんびりとした時間が流れます。そして、ここから見える特徴的で素晴らしい景色があります。

『この施設の一番の魅力は、何といっても「夕日」です。ちょうどこの施設から湖を眺めると、正面に筑波山が見えるのですが、年に2回「ダイヤモンド筑波」という、筑波山の山頂に夕日が沈むタイミングがあるんです。3月と10月の2回チャンスがあるのですが、筑波山の後ろに夕日が沈んでいくと、湖面も赤く染められて綺麗で、本当に幻想的なんです。毎回、「ダイヤモンド筑波」の時期には、多くの撮影目的の方がいらっしゃいます。』

 

大洗と言えば海から見える「日の出」が有名ですが、実は町内には「夕日」を眺められる素晴らしいスポットが存在しているのです。

『また涸沼では、シーズンごとにシーバス、ハゼ、鯉など色々な魚を釣る事が出来るのも特徴です。更に、野鳥観察も楽しめる。美しい夕日も楽しめる。そんな施設です。またこの場所は、中心街から離れている事もあり、かなり静かにキャンプができますよ。』

 

海だけではない、大洗町の自然を存分に楽しめる施設として、今後注目度が上がっていく施設である事は間違いありません。

 

「地域おこし協力隊」として生きる―

そんな富張さんは、「地域おこし協力隊」として大洗町に移住してきました。東京で働いていた富張さんを突き動かした原動力はなんだったのでしょうか。

 

『私はそもそも大洗に定住して、この地に骨を埋めたいと思いを持っていました。そんな時に「地域おこし協力隊」の募集情報をたまたま見つけ、まずは大洗で職を得てから、その後の人生設計の土台にできればいいなと考えました。任期は3年で、その後その土地に残るかどうかの最終判断は各々で行うのですが、私は大洗に居続ける予定です。』

 

「地域おこし協力隊」の制度は全国で行われていますが、任期を終えると元居た場所に戻ってしまったり、また違う場所に行ってしまうという人も居て、「将来的な定住」を目的にした制度とは乖離している人もいる、という事で行政が頭を悩ませていると聞いたことがあります。そんな中、富張さんは強い口調で続けます。

 

『私もここに来るまでは東京で勤めていたのですが…東京で勤めてた時より、今ははるかに幸せです。人生で、今が1番幸せなんじゃないか、というくらいですね。』

 

富張さんにとって大洗町には、それまで得る事が無かったかけがえのないモノがありました。

 

『大洗に来て一番感じるのは、やはり住民の皆さんの温かさです。初対面であっても、「おまえ、どこのだれだっぺ?東京から来たのか?あぁ~すげーな」なんて親身に話して下さって、顔を合わせていく内に、例えば「野菜持ってけよ」とか「魚もってけよ」とか声をかけて下さる。困っている事があれば相談に乗って下さって、顔見知りの人を紹介して下さったりと本当に親身になってくれる、助けてくれるというのを強く感じます。こちらとしても、助けてもらった以上は何かお返しをしたいじゃないですか。例えばこちらでは珍しい物を持って行ったりとか、あちらが困っている時に逆に助けに行ったりして、それでまた繋がりが強くなっていく。そんな正のサイクルが生まれるんです。本当に良くして頂いて、それを幸せに感じていますね。』

 

「幸せ」の概念は人それぞれですが、現代社会において忘れられてしまった大事なものを、富張さんは大洗で感じているのかもしれません。タイミングや縁、現地での経験は、人の価値観を変えるきっかけになるのだと感じずにはいられませんでした。

 

そんな大洗町の「地域おこし協力隊」ですが、現在「夕日の郷 松川」での人員募集を行っています。

 

交流拠点「夕日の郷松川」で,地域活性化にチャレンジしてみませんか?
http://www.town.oarai.lg.jp/~nousui/business/info-3975-421_3.html

【募集人数】1名

【申込受付期間】
令和2年12月28日(月)まで 当日消印有効
※第1次選考の応募用紙等の提出期限

詳細は、上記URLをご確認下さい。

 

『移住するとなると、その土地に馴染めるのか、という所が大きいですよね。それは「地域おこし協力隊」に限らず。「住む」のと「旅行で来る」のは全然違いますから。私はこの通り、とてもとても楽しく仕事をさせて頂いています。』

 

地域おこし協力隊の募集は常に出ている訳ではなく、自分の希望するタイミングで募集があるとは限りません。移住が条件ですが、住居も町から無償貸与される形となります。興味のある方は、是非申し込んでみてはいかがでしょうか。

そんな「夕日の郷 松川」にある農産物直売所からは、下記の3つの商品がラインナップされました。

 

■【ワケアリ】紅はるか(サツマイモ Sサイズ/約5kg)箱売り 750円(税別)

今大人気のサツマイモ品種「紅はるか」。その「紅はるか」の、流通の規格を満たしておらず本来市場に出回らない商品(Sサイズ)を、5kg分段ボールに詰めて直売所で販売しています。1つ1つの大きさはやや小さめですが、大きいサイズと味に違いは全くありません。小さめな分、お得な販売価格でご提供いたします!遠方から数箱一気に買う人も多くいる人気商品です。

 

■【涸沼産】ひぬま やまとしじみ【冷凍しじみ】 600円(税別)

眼前に広がる雄大な汽水湖「涸沼」で獲れた、冷凍「しじみ」です。涸沼は、満潮時には海から涸沼川を通じて海水が逆流し、淡水と海水が混ざり合う「汽水湖」です。「汽水湖」は全国的にも珍しく、海水魚と淡水魚の両方が生息しています。このように恵まれた環境で獲れる涸沼のしじみは、日本三大しじみ(島根県・青森県・茨城県)の一つにも数えられています。涸沼で獲れるしじみは粒が大きくなることが有名で、大きいものは500円玉くらいにもなります。

 

■大洗産 新米コシヒカリ(5kg) 2,300円(税別)

地元農家が丹精込めて作った大洗産の美味しいコシヒカリです。潮風と太陽を浴びて育った美味しいコシヒカリを是非!

 

今回ラインナップされた商品以外にも、「直売所」ならではの農家さんから直送された新鮮な農産物が販売されています。海だけではない「大洗町」の新たな魅力を、ここ「夕日の郷 松川」で体験してみてはいかがでしょうか。

お店情報

  • 営業時間:施設 9時~17時/駐車場 8時~日没
  • 定休日:水曜日
  • 電話番号:029-212-3900
  • 住所:茨城県大洗町成田町2573-1